大阪芸術大学図書館 図書館所蔵品展

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図書館所蔵品展

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1960年代イギリスのタイポグラフィー専門雑誌 『タイポグラフィカ』(新シリーズ 第1号~第16号)

平成23年7月15日~8月10日 図書館4階展示コーナー

雑誌名:Typographica (New series nos.1-16)
編 集:Herbert Spencer 発行・印刷:Lund Humphries
発行地:London 発行期間:1960-1967

『タイポグラフィカ』誌は、20世紀後半期の国際的で秀逸な視覚芸術の刊行物であり、独創的な編集方針と高水準のデザインならびに印刷・製本によって傑出していた。当誌の創始者はイギリスの著名なタイポグラファーのハーバート・スペンサー(1924-2002)であり、彼は25才の若さで当誌の編集に着手し、表紙や紙面などをデザインし記者としてもしばしば筆を執っており、通常は別々であるこれらの仕事を統合しながら、18年間の長きにわたってこの雑誌を世に出している。
『タイポグラフィカ』誌では、戦前にバウハウスなどで創められていた構成的で機能的なニュー・タイポグラフィーが取り上げられ、タイポグラフィーの新たな実験とその実用化が鼓舞されている。そして当誌は、旧と新の2シリーズで、それぞれ16冊ずつ総計32冊が1949年から1967年まで刊行されている。今回の展示は、昨年度の夏に展示された旧シリーズ(1949-59年、第1号~第16号)に続く新シリーズ(1960-67年、第1号~第16号)の表紙デザインである。
新シリーズの『タイポグラフィカ』誌では、テキストとイメージの関係に大きな変化が生じており、イメージとしての写真画像にその重点が移行している。1960年代の『タイポグラフィカ』誌は、コミュニケーションの媒体物としての文字の形象を追求し続けるとともに、その一方では新しい読み書き能力の媒体として写真を積極的に活用しており、街頭でのサインや文字、商業印刷物の機能とデザイン、写真と文字との統合など、視覚伝達デザインの諸問題にいち早く取り組んでいる。

タイポグラフィカ 画像1
タイポグラフィカ 画像2
タイポグラフィカ 画像3

(大阪芸術大学教養課程教授 籔 亨 筆)

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