平成24年5月7日~5月31日(木) 図書館4階展示コーナー
2012年は20世紀の音楽や現代アートに大きな影響を与えたアメリカの作曲家、ジョン・ケージ(John Cage 1912-1992)の生誕100年にあたります。図書館では所蔵するケージの資料を紹介し、「偶然」にこだわり続けた彼の世界観に迫ってみようと思います。ただしそれは、序章にしか過ぎません。彼が作曲した譜面から何が読み取れるか…。様式や因習を打破してきたケージの作品を一部ですが、ぜひご覧下さい。
2012年は20世紀の音楽や現代アートに大きな影響を与えたアメリカの作曲家、ジョン・ケージ(John Cage 1912-1992)の生誕100年にあたります。図書館では所蔵するケージの資料を紹介し、「偶然」にこだわり続けた彼の世界観に迫ってみようと思います。ただしそれは、序章にしか過ぎません。彼が作曲した譜面から何が読み取れるか…。様式や因習を打破してきたケージの作品を一部ですが、ぜひご覧下さい。
沈黙の巨匠 ジョン・ケージを語るとき、「4'33」が彼を解くキーワードとして必ずと言っていいほど出てきます。「4'33」とは、ケージがピアノの前に座りながら、一切ピアノを弾かないまま"演奏"を終了した時間ですが、聴衆はこの間、ケージが静かに目を閉じ、片手だけを挙げた奇妙なスタイルを見続けた時間でもありました。
コロンビア大学で禅の思想を学んだケージは、音楽を緻密に組み立てていく西洋音楽的な発想から脱却し、「偶然性」が紡ぎだす音をとらえ、作曲していきます。ジョン・ケージの独創的な曲作りは、同時代の作曲家たちの音楽観を根底から覆し、音楽の新しい方向性を打ち出すものでした。1940年、舞踊家のSyvilla Fort(1917-1975)にダンスの付随音楽を委嘱されたケージはピアノに手を加え、ピアノとは異なる独自の楽器「プリペアド・ピアノ」を"発明"し、作曲します。(Prepared piano music : solo prepared piano : 1940-47)
あらゆる意図を排除して、音そのものに向き合ったケージの音楽への姿勢は今も多くのアーティストに多大な影響を与えていますが、真っ向から否定する音楽家もあり、賛否は面白い程はっきりと分かれています。最高とも最悪とも言われるケージ。好悪は別にしても、ケージが今なお強烈な異彩を放つ存在であることを、本展示で実際に検証して頂ければ幸いです。
<<展示資料>>
・PREPARED PIANO MUSIC Ⅰ&Ⅱ (1940-47)
・WATER MUSIC (1952)
・CONCERT FOR PIANO AND ORCHESTRA (1960)
・Variations Ⅵ : for a plurality of sound-systems (1966)
・RYOANJI (1983)