大阪芸術大学図書館 図書館所蔵品展

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図書館所蔵品展

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大坂画壇への誘い

平成24年6月4日~6月30日 図書館4階展示コーナー

江戸時代に三都といわれた江戸・京都・大坂にはそれぞれ江戸画壇・京都画壇・大坂画壇という画家たちの社会があった。江戸画壇や京都画壇はメジャーであったが、大坂画壇はなじみ難いものであった。しかし、江戸時代の大坂は町人の都市として、また、各地方の大名の蔵屋敷があった町として賑わいを見せ大坂画壇として特色のある活動があった。大坂画壇の画家たちは大坂で生まれた人もいれば各地から来坂して住居を構えて大坂で活躍した人達もいた。大坂画壇の特色は京都で学んだ画家が来坂して活躍したので京都画壇の影響を多く受けている。江戸や京都の公武社会でのアカデミックさは大坂で認められず、町人社会の支持層による格式にこだわらない自由な発想があったように思える。狩野派や圓山派、四条派、南画、琳派などのいろいろな画風をもった画家たちが町人の支持を得て活躍した。

大岡春卜(1680~1763)

大坂の人。狩野派に入門、中国絵画も独自に学び一家を成す。多くの画譜を刊行する。絵画だけでなく和歌、音曲、狂歌も楽しんだ。狩野派の画家。

大岡春卜 『 人物画巻 』 画像
大岡春卜  『人物画巻』

長山孔寅(1765~1849)

秋田の人。京都に出て呉春(四条派の画家)に絵を学ぶ。来坂して四条派を大坂に広める。牡丹の絵を得意とする。狂歌をよくし三条茂佐彦の狂号がある。四条派の画家。

長山孔寅 『画手本』 画像
長山孔寅 『画手本』

深田直城(1861~1947)

滋賀県膳所の生まれ。四条派の森川曾文に学ぶ。京都に住んだ後、大阪に移り住む。四条派の写実的で情趣的な絵を描く。

深田直城 『習画帖』 画像
深田直城 『習画帖』

金子雪操(1794~1857)

江戸の人。伊勢長嶋藩主増山雪斎や釧雲泉に絵を学び、京都から大坂に 来て活躍する。一時吹田にも住む。文人画家。

菅 楯彦(1878~1963)

鳥取生まれ。父は元鳥取藩士で大阪に出て画家になる。独学で絵を学び 大成する。淡雅で洒脱な趣向のユーモラスな絵を描く。

菅 楯彦 『住吉おどり図下絵』 画像
菅 楯彦 『住吉おどり図下絵』

岡田半江(1782~1846)

大坂の人。文人画家の岡田米山人の子。父に絵を学び、清逸な南画を描く。大塩平八郎の乱後は住吉浜に住む。文人画家。

(大阪芸術大学教養課程教授 田中敏雄 筆)

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